85%以上の人々が未来のことを知りたくないと考えている

イギリスの新聞、the guardianに次のような記事がありました。
Spoiler alert: most people want to remain in the dark, finds study
(
大部分の人は闇の中に留まりたがっていると研究が明らかにした)

記事の内容を簡単にまとめると、次のようになります。

  • ドイツのMax Planck研究所のグループが、ドイツとスペインでそれぞれ2000人にアンケート調査を行った
  • 自分の寿命や、結婚の行く末、サッカーの試合の結果などいくつかの将来起こりうる出来事について、あらかじめ時期や結果を知っておきたいかどうか、という質問を行った
  • 調査の結果、ドイツでもスペインでも、9割近い人々が自分やパートナーの死期や結婚の行く末について知らないままでいたがっているということがわかった

 


 

記事にはもう少し細かいところも書かれていますので、さらに内容を説明してみたいと思います。

質問内容と回答結果

まず、質問はネガティブなもの(自分やパートナーがいつ死ぬか)、ポジティブにもネガティブにもなりうるもの(結婚がいつまで続くか、死後の世界はあるか)、ポジティブなことが多いもの(生まれてくる赤ちゃんの性別はどちらか、次のクリスマスに何をもらえるか)から構成されています。そして、記事に書かれている解答率を拾ってきてまとめると、次のようになります

パートナーの死期:90%の人が知りたくない

自分の死期:88%の人が知りたくない

結婚がいつまで続くか:85%の人が知りたくない

フットボールの試合の結果:77%の人が知りたくない

クリスマスプレゼント:59%の人が知りたくない

死後の世界があるか:57%の人が知りたくない

生まれてくる赤ちゃんの性別:40%の人が知りたくない

また、すべての項目について知りたいと答えたのは全体のわずか1%だったそうです。

調査からわかること

ここからわかることは、生死や離婚などの重大な負の感情をもたらすおそれのある事柄については、事前に知っておくことを拒む傾向が強いということです。一方で、クリスマスプレゼントなどの比較的軽めの事柄や、死後の世界のことなどの確かめようがない事柄については結果が半々に割れていることがわかります。赤ちゃんの性別だけが事前に知っておきたい回答が優勢の項目ですが、これは結果がどちらに転んでも、その先を考える楽しみがあるからではないかと予想できます。

死期や結婚生活の行く末などは、あらかじめ予知があればそれだけ事前の準備が可能なため、有意義に時間を過ごすことができるようになる、という考えもあるように思えます。しかし、人間の心理は、そのような合理的判断よりも、予知してしまうことによる負の感情を避けたがる傾向にあるようです。

記事にもある通り、これらのアンケートには、例えば実際に子供が生まれる予定の人に絞って赤ちゃんの性別を知りたいかどうか質問したわけではなく、回答者にとって質問内容が真に迫っていないという問題があります。このあたりは心理学の統計的な調査の難しいところだと思えますが、結論めいたことを導くためにはさらなる調査が必要なようです。しかし、これだけでも大変示唆に富む結果だと思えます。

 

英語メモ

記事に登場する英単語や英語表現のうち、役立つ気がしたものをいくつかメモしておきます。

anticipating : 期待している

sneak a glimpse of the future : 未来を垣間見る

unpick : 縫い目を解く

underpinning : 支え、土台、支持

foreknowledge : 予知

Cassandra : カッサンドラ、ギリシア神話に登場するトロイの女王。アポロンの恋人となって予知能力を得たが、アポロンの愛が冷める未来を視てしまいアポロンを拒んだ。怒ったアポロンから、誰もカッサンドラの予言を信じないようになるという呪いをかけられてしまい、トロイの木馬に兵士が潜んでいることなどを予知して警告したが、信じてもらえずやがて破滅してしまった。

persuade : 説得する

burgeoning : 発芽する、急成長する